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当該マンションは1971年竣工なので当時購入して現在でも居住している方はリタイア組であり、中古物件として購入した方は取得時期によっては未だ償却が終わっていない可能性もあります。底地部分の所有者の経済的破綻に対する対応は当然に管理組合を通して全組合員に知らされていると推定され、総会で対応を議論してきたと思われる。この辺りは全て推定だが、当たらずとも遠からずと思われるので推定をを続けるとして、底地権の購入金額は1戸当たり400万円前後、総額約2億5千万円と考えられる。総会で結論が出なかったので競売になった訳だが、マンションの底地など誰も見向きもしないと言う楽観論が支配したためかと思われる。底地の深刻な問題は全員が賛成でないと結論が出せないと言う厄介なことだ。その為に折角のチャンスを逃したと思われるが、残念なのは当該マンションは現行の許容容積率が少なかったことだろう。若し許容容積率が大きかったらデベロッパーに持ち込んで底地を買い上げて貰って再開発に持ち込めた可能性もあった。

何れにしても組合員の予想を裏切って底地を競売で落札した不動産会社があり、その不動産会社は当該マンションの容積率違反になるのを承知の上で戸建て住宅としての1700㎡の内420㎡の土地売却を企てたことだ。停止条件付で売買契約を締結した戸建て住宅販売業者は建築確認申請を指定確認検査機関に提出したことから特定行政庁の杉並区役所が容積率違反になることを発見し、区役所では競売取得した不動産会社と当該マンション管理組合とで土地の売買で解決を図るように書面で通知し、指定確認検査機関には建築確認を保留するように行政指導したとのことであった。杉並区役所としては適正に行政としての役割を果たしたと言えよう。問題はこの先で起きた。競売で購入した不動産業者は二度の行政指導に従わずに対象土地の内420㎡をを関連会社に転売し、戸建て販売業者はこの関連会社から420㎡の土地を購入して再度建築確認申請を提出した。計画した住宅の設計自体が適法だったので、指定確認検査期間は建築確認を交付し、結局問題の戸建て住居が全棟完成した。

この為、管理組合では関係不動産3社に対して「住宅によって眺望や日照を侵害された」などとして完成した6棟の住宅の撤去や慰謝料の請求の支払いなどを求めて提訴した訳だ。結果的には、慰謝料33万円の支払いを不動産業者に命じたものの、戸建て住宅の撤去は認められなかった。訴状の内容は知らないが、戸建て住居の撤去以外に慰謝料などを求めたのは最初から住宅の撤去は難しいとの判断が管理組合側の弁護士にあったと推定できる。WEB雑誌では1984年の改正区分所有法の成立以前は建物と土地を切り離して売却できたので、1983年以前の建物には今回と同様のトラブルの懸念があると指摘していた。しかし、今回の事件は指定確認検査機関が生まれていなければ戸建て住居の建築確認の交付はあり得ない事を考えると、1983年以前と言うより、規制緩和が生み出した法の網を抜けた悪質な不動産業者に利益をもたらす仕掛けとと言える。正直者で納税を怠らないものが不利益を生じる社会とは何だと言いたい。裁判官も法律論でしか物を見ない社会経験も少ない者が一連の流れの悪質さも判断出来ないで判決を下す社会には愚かさ以上に絶望的になる。

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偶然に目にしたWEB雑誌の記事に目を惹かれた。

タイトルは"敷地に戸建て、マンション容積率違反に"でした。東京都内の杉並区の分譲マンションの敷地内に戸建て住宅が建築され、マンションが容積率違反の違法状態になっているとの記事に最初はあり得ない話と思い、記事が間違っているんではないかと疑った。しかし、読み進んで行くに伴い、この様な事が他の事でも起きていたらと気になりだした。小泉内閣時代の建築基準法の改正により、建築確認申請の審査が民間会社でも可能となり、指定確認検査機関が出現した。行政庁でも建築物の巨大化で対応してきれなくなったのに採算性が求められる民間の検査機関に出来るのかと言うのが私の率直な感想であった。民間検査会社の出現はその後に構造偽装事件と業務発注の変化の二つの面で現れ、今後が懸念される代物であった。不祥事が起きると行政は待ってましたとばかり今度は別な方法で規制強化を行うが、先の構造偽装事件後の規制強化と業務発注の変化は弊社の様な設計事務所に関しては色々な面でマイナス効果が大きく働いている。

然し、今回のマンションの容積率違反は規制緩和以前ならば起こり得ない事件だから余計に愚かな社会を作り出したことに腹が立った。私も知らなかったが、指定確認検査機関は業者から申請書が提出されると概要書を特定行政庁に送付する仕組みになっていることだ。今回はその送付で杉並区役所がマンション敷地内に建築される戸建て住宅でマンションの容積率違反になる懸念に気が付いた。同マンションは1971年と古く現行許容容積率/建蔽率は150%/60%だそうだ。約3000㎡の敷地として建築確認を取得し、鉄骨鉄筋コンクリート造地上11階建のマンションが建築されている。問題は敷地3000㎡の内、1700㎡が借地であり、その借地部分が競売に出されて所有権が不動産会社に移転したことだ。競売の経緯等は書かれていないので、今回の事件とは別に幾つかの疑問点はある。それに言及しないで今回の件だけを取り上げても意味をなさないと思うので、先ずはその点から述べるとする。一般的には底地である土地の所有者が経済的に破たんした場合には推測の域をでないが、債権者は借地権者に底地の購入を勧める筈だ。なお、当該マンションは敷地の約57%が借地であり、所有権と借地権がマンションの敷地権としてどの様に対応していたのかが不明だが、一部のマンションには所有権の敷地が付いており、一部のマンションには借地権の敷地である様な分け方はしないので、考え方としては共有持分(所有権)と準共有持ち分(借地権)の両方の持分で全戸成り立っていたと推定するしかない。

<以下次に続く>

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昨今は資産運用のパンフレットで資産購入を勧誘する会社が多いが、その中でビルのフロア購入を勧めるものがあった。1棟の建物を購入するよりいわゆる区分建物の方が資産価値が高いことを謳ったものであった。区分所有建物とは分かりやすく言えばマンションなどの住戸が代表的なものだが、ビルのフロア購入を勧める案件はオフィスとしての活用を目的としている。簡単に言えば、賃借でオフィスを利用している会社や個人に区分所有建物のオフィスを購入すると賃料分を購入に要する借入金の返済に充当させて資産を得られますよ、という事だ。共同所有のマンションの為の法律として区分所有法が成立したのだが、法律制定当初から長い間は専らマンション法と呼ばれる位に住戸を目的としていた。その後、共同建物は住居として住まいに使用する以外にビジネスマンションなるものが考案されて仕様は居住用だが、オフィスとして使う物件も出現した。今から40年以上前なので未だオフィスビルは少なく、個人事業者が賃借するには保証金も高かったので、少人数のオフィスとしてビジネスマンションは好評だった。

更に、ビジネスマンションにヒントを得たと思われるのが弁護士ビルなるものの出現だった。弁護士ビルはビジネスマンションよりは通常のオフィスビルに近く、弁護士と言う職業からオフィスを借り難いと言う問題と弁護士と言う個人事業主にはサラリーマンの様に退職金がないので、引退時に弟子に事務所を購入してもらう事で退職金代わりにもなるので多くのメリットがあった。なお、共同開発での副産物である店舗の区分所有建物は早くから存在したが、問題は流動性に難点があり、店舗用途に関しては飽く迄も意図的ではなく開発から生まれたものであった。尤も、超高層ビルの建築では、複数の企業が共同参加したことから数フロア単位での区分所有建物が存在しているが、一般的にはマンションと同じとは理解されていなかった様だ。

過去の区分建物のオフィスには流動性に問題があったことを述べたが、その最大の理由は当時の金融機関が担保価値として区分建物オフィスを見てくれなかったことだ。担保主義の時代であったので担保と評価してくれないので、区分建物のオフィスの需要があっても流動性に欠陥があったことになる。その後、徐々に区分建物オフィスにも担保価値を求める金融機関も現れてきたが、実際の不動産取引においては評価の80%が一般的であった。

弊社は都内に共同事業でマンション建築を行っていたが、共同事業なので1階は店舗を配置し、所謂下駄ばきマンションであった。共同事業で早期の資金回収にはマンションを分譲することであり、弊社はマンション専業大手に取得分を卸すことによって販売リスクを避けた。今の若い世代には理解できないと思われるが、当時は高金利なので販売戸数の10%が売れ残ると利益がなくなるとまで言われた時代だ。エンドユーザーに販売できれば利益が多いのが分かっていても弊社規模では出来ないのが実情だった。

区分建物のオフィスが金融機関に認知され、利用者や投資家にも一般的になったのは何時頃かと言うと、1985年以降のバブル経済になってからだと思われる。都心にビル需要が増加し、多くの場所で地上げと称される再開発が進められたことから地価が急上昇し、都心で1棟ビルを所有するのが価格的に大変になったことが背景にある。弊社でも都心の共同再開発で大型ビルを建築することになるのだが、開発当初は未だバブル経済にはなっていなく、ビルの仕様が従前と大きく変わることが予想されたので、弊社は付加価値が生まれる今では死語かもしれない「インテリジェントビル」の希少価値で勝負に出た。紆余曲折を経て1987年に完成した時にはバブル経済絶頂期であり、大型ビルの区分建物のフロアも担保価値としては1棟ビルのフロアと変わらない金融機関の評価であった。

長々と区分建物に関して推移を述べてきたが、今後予想される都心のビルの供給過剰にあって区分建物のオフィスの資産価値がどの様に推移するのか興味を持っていた時に、冒頭の様な区分建物のオフィスを積極的に資産価値が高い案件として推奨する不動産業者が居たので驚いたのは確かだ。区分建物の資産価値とは何かとひと言で述べると区分所有者の団体である管理組合が機能してるかどうかだ。そのことを触れずに売買の仲介や販売して終わりでは無責任になる。何れにしても、区部建物のオフィス販売では先駆者といえる弊社が積極的に出来なかったのを専業として大きく伸びている会社が出てきたことを思うと隔世の感がある。弊社は今でも区分所有建物では多くの知見を有しているので、今後は区分建物のオフィス販売にも乗り出そうかと考えている。

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築36年で管理規約を制定する難しさは、マンションデベロッパーが購入者の同意を得ないで公正証書規約で制定している事実からも分かります。購入前の設定ではなく、竣工後の大分年数が経過したマンションで管理規約を制定するには区分所有法の特別決議によって行います。勿論、近年の規制緩和の影響で、過去には規約制定には全員の同意が必要でしたが、現在は全体の4分の3の決議で制定できるととは言え、通常の総会の過半数の出席で、且つ多数で決められる議案と比較すればハードルは相変わらず高いのは確かです。

管理規約の大前提は公平さと建物の管理保全に必要な規制ですので、基本的なたたき台は国土交通省が公開している標準管理規約のモデルを参考にし、その上で当該マンションに係る条文を加筆・変更することになります。当該マンションは築年数から既存不適格なのは当然ですが、問題は違法性のある物件だったことでした。しかし、当初案ではこの問題を無視して作成する訳には行きませんので、弊社段階では違法性の問題を念頭に作成しました。

管理規約の内容に関しては、管理組合の役員と居住者の方に先ず説明し、後は区分所有者の人達が条文の是非を議論して決めていただくことにしました。弊社が最初に説明した以外に議論の中に入らなかったのは、自分達で管理規約を作成する意識を持ってもらう必要があったからです。管理規約の制定で最も重要なことは与えれたものではなく、自分達が作ったと言う誇りです。なお、居住者外の方々は容易に参加する機会がないと考えて1ヶ月以上前に管理規約案を郵送し、必要に応じて弊社が内容を説明し、意見を伺う事にしました。

今回の管理規約制定作業で痛感したのは、当該マンションの自治会時代から各所有者の信頼を得て運営をしてきたことでした。この為、外部の所有者で作成の議論の場に参加できなかった方から修正等の意見が出ませんでした。臨時総会の議決権の確保で出欠の確認を連絡した時には、出席できない方から全員の委任状も取り付けることが出来ましたので、理事長さんも驚いていました。理事長さんと役員の方は仕事が忙しい上、腹の立つ個人的な意見も聞きながら皆を賛成する方向に纏めていただいと思います。若い理事長さんでしたが、会計担当の理事さんと共同で粘り強く規約作成に向けて動いてくれたことが成功に到ったと思われます。

臨時総会当日、理事長が議長に就いて議決に必要な出席者の確認を行い、適法に成立したことを宣言して議事に入りました。議事においては、事前に意見を纏めていたこともあり、大きな波乱もなく、順調に推移しましたが、最後に会計担当理事と自治会時代の会長さんと新管理費と修繕積立金の未納の方との精算を巡り緊張した場面がありましたが、管理規約制定後の管理組合運営に過去のわだかまりを解消するには良かったと思われました。なお、全員賛成で管理規約は議決承認されました。理事長さんは呉越同舟の管理組合と理解しており、管理規約制定後も色々と問題が生じる懸念を持っておりますが、管理規約制定により当該マンションは管理運営の憲法を持つことになり、36年目にして漸くスタートを切ることが出来ました。

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管理組合の初代理事長として就任した方は頭の回転が速く、管理組合業務代行会社としては業務をサポートする上で安心感がありました。しかし、一から始める管理組合体制の確立でしたので、想像以上に理事長さんには負担が掛ったと思われます。最大の問題は発足時点では自治会の運営スタイルを踏襲せざるを得ないことであり、管理規約がない為に区分所有法だけでは理事長の業務上の権限に関して制約があり過ぎた為でありました。その様な状況にありましたが、組合発足後には直実に管理組合規約の制定に向けての準備作業は進められました。先ずは、通常総会で管理組合の業務委託及び決算と年度の事業予算の計上などの議案書を作成し、管理組合運営の日常業務を推進できる体制を構築しました。事業予算の中に「長期修繕計画作成費用」と「管理規約制定の費用」が盛り込まれましたので、弊社は建物の調査に着手しました。

建物調査では竣工後に導入された法律による既存不適格に関してはそれほど問題視しませんでしたが、調査の過程で許容容積率オーバーであることに関しては原因を究明する必要に迫られました。弊社は不動産ファンドが購入する建物のデューデリジェンス(DD)を行ってきましたので、過去の建築物には違法性が多いのは認識していました。当該マンションも分譲業者が計画的に1階部分を駐車場として建築申請し、竣工後に店舗に用途変更したものと推察されました。しかし、実証できる建築確認申請図面はなく、自治会で保有していた平面図のコピーでは既に1F部分は店舗になっており、登記も店舗で登記されていましたので、調査としては現状確認に止め、現行平面図で各部屋の壁芯床面積を算出しました。

管理組合から当該マンションの保全の為に適正な管理費と修繕積立金を徴収する必要があり、その為に弊社に対し長期修繕計画書の作成作業を進める様に指示がありました。当該マンションは自治会運営としては管理組合が設立されているのではないかと思うほど計画的に修繕が行われてきておりましたので、長期修繕計画書の作成に際しては、その結果を踏まえれば良く、作成に当たっては緊急的に行う工事がないので、現行の留保している金額で当面は修繕出来ることが分かりました。長期修繕計画書作成後にその必要な支出に見合った管理費と修繕積立金の算出を進め、何通りかの案を管理組合に提出しました。

初代の理事長は一部の反対にもかかわらず粘り強く区分所有者の意見を纏めて管理費と修繕積立金の金額と徴収開始日を決定して後任の理事長にバトンを渡しました。理事長としての仕事は何時も決断を迫られるもので、2代目の理事長も就任早々に屋上の防水亀裂による漏水が最上階の部屋の内装工事で発見されて緊急対応が求められました。管理規約がない状態で緊急性がある工事でしたので総会に諮っている時間的な余裕がなく、工事金額も含めて大きな決断でした。この為に、理事長は管理規約制定に注力することになり、弊社に早急に管理規約のたたき台を提出することを求められました。

屋上防水工事の緊急対応が今回の管理規約制定促進の起爆剤となったものと思われ、理事長就任早々の出来事の上に初めて管理組合の役員になったこともあり、大きなプレッシャーであったと思われます。理事長として業務を遂行する上で管理規約の必要性を痛感したのは結果的にプラスになりました。

<以下続く>

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管理組合業務代行の3年掛りで取り組んできた築36年のマンションの管理規約制定の臨時総会が無事に終え、漸く名実ともに管理組合が発足する運びとなり、良かったとの思いを強くしています。

当該マンションの管理組合業務代行について4年以上前に一人の組合員から相談を受けました。現在は自治会として有志の方が管理に携わっているが、実際には管理組合を設立して管理した方が良いと思うので、自治会の役員に管理組合の業務代行について説明してほしいとの事でした。その後、面談日時が決まり、当日には建物を視察しましたが、20世帯以下の小規模マンション乍ら建物の管理は良くなされている印象を受けました。今回の説明に際しては、長く自治会の会長として務めてきた方が他の方に会長を任せるに際して役員の業務を軽減することを念頭に置いての面談でした。

管理組合の設立には管理規約が必要であり、建物の保全管理には管理費と修繕積立金を徴収することになるが、自治会の会費ではなく、正式に管理費と修繕積立金の徴収の金額を決めるには長期修繕計画の作成も必要な事を説明しました。古いマンションは殆ど同様ですが、竣工図面等を建設会社に預けたままになっていたり、分譲会社が竣工後の管理を行っているケースが多いので管理組合事務所を持たない小規模マンションに関しては分譲会社や建設会社や設計事務所が倒産すると大事な建物に関わる資料を喪失している場合が多いです。当該マンションも分譲会社が破たんしていたので、存在している資料としては平面図のコピーと販売時の物件概要書程度でした。

弊社は手前味噌になりますが、一級建築士事務所として設立し、その後共同事業のコーデネーターやデベロッパーとして共同事業によるビル・マンションを建築した実績があり、30年以上前から管理組合の運営管理を行ってきたので、管理組合の業務代行に際しては、他社に追随を許さないものがあります。弊社の業務から建物の長期修繕計画の作成や平面図から区分建物の壁芯面積を計算することは容易です。更に、関係会社では建物のメンテンナンス業務を行っているので、適正な管理費の設定が可能と言えます。

然しながら、弊社のノウハウを活用するにしても数名の理事の方は必要であり、20世帯以下の小規模マンションですが、引っ越して現状は賃貸物件として利用している不在地主も多く、如何せん居住している方に管理上の負担が多いのは避けられないと言う現実がありました。それらの実情を踏まえて新しく就任した自治会の会長を区分所有法に基づく理事長として弊社の管理組合業務代行はスタートしました。

<次号に続く>

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電通・女子社員の自殺から急に企業の従業員の労働に対する国側の必要以上の干渉が始まった。過剰労働の問題が何時の間にか消費を増加させるための早帰りに転化してしまった感がある。ここに来て以前から指摘されてきた労働力不足問題も取り上げられ、早々と特区で家事代行に就く女性20人がフィリピンから入国してきた。待ってましたと言わんばかりに宅急便業界の過剰労働とコンビニの人手不足が新聞やTVで取り上げられてきた。確かに、弊社でも清掃業務で募集しても容易に応募者が現れない事は事実なので人手不足は痛感しているが、それは飽く迄も業種によるのである。

人手不足と一言でいうのは簡単だが、最近のマスコミで特に人手不足と伝えられるのは、「宅急便」、「コンビニ」、「飲食店」の御三家と言える。この御三家の過剰労働と電通の女子社員の過剰労働は全く違うのだが、マスコミを通すと全て一緒になってしまう。御三家は正に体を使う労働だが、電通の女子社員は頭脳労働者と思われるので、過剰労働の問題は本人の問題とも言える。勿論、広告会社勤務の知人がいたので拘束された長時間労働の話は聞いて知っているが、知人は好きで入社した業界なので辛いと思ったことはないと言っていた。

過剰労働の御三家の場合は兎にも角にも体を使う事が求められる訳だが、宅急便の人手不足はネット企業による大幅な需要から生じたものであり、当初設計の宅急便事業と大きく変動した事が全ての原因である。コンビニも生き残りを掛けて必要以上の陣地獲りの競争激化に起因するものであり、人手不足を助長させている。飲食店も同様に店舗数の拡大が利益拡大と相関関係にあることと、貸出先に困っている金融機関が飲食店の過剰進出を助長させて矢張り人手不足を助長させている面が大きい。

少子高齢化社会到来なので労働力の不足は確かだが、必要以上のサービスや出店競争で人手不足を生じさせていることにも問題がないかを検証する必要がある。宅急便の問題はネット企業との配送日時の問題なので、本来ならば税金を投入して宅配ボックスを設置する必要があるかどうかを熟慮すべきだ。

尤も、政府としては一石三鳥を狙った政策を進める為に労働問題を必要以上に取り上げていることは間違いないと思われる。しかし、場当たり的な政策ばかりを続けているとオオカミ少年になってしまい、肝心な時に国民はそっぽを向く危険性があることを考えるべきだ。移民政策を進めるならば東南アジアに無料の日本語学校を作り、語学と日本文化を教えて受け入れる体制の構築を行うべきだ。欧米の轍を踏まない為には移民を希望する国々に日本語学校を作って日本文化を教えるのが先だ。本当に日本の政治家は無能だ。

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昨日、都心で外人旅行客を対象にした宿泊施設を運営する経営者の方と話をしたら政府の民泊まで必要とする発表と現場とは違う事を指摘していた。

私は矢張りそうかと思った。政府が民泊はを言い出した時から民泊の本当の狙いは空き家対策であり、インバウンドはそれを国民に促すための理由づけと推測していたからだ。勿論、日本は資本主義の競争社会だから全部良くなるとか全部悪くなるわけではなく、立地やアイデアで差別化を図れば供給過剰になっても問題はない。政府としては、将来的な需要予測に基づいて不足を指摘しているのだろうから単純に考えた国民が馬鹿となる理屈だ。

何れにしても、低成長経済になった先進国では住宅など不動産需要を起すことで景気動向が左右されるので、少々の過大予測は許されると思ってるのだろう。ドルが実体経済を上回り、今や3倍もの資金が世界中に飛び交っている時代なので、何かを創造しないと経済は成り立たない。有名経済学者が破壊と創造を提唱したが、本当の意味は破綻と処理なのではないかと思われる。破綻した資産を安く買い叩いて収益を上げる構造だ。

日本は鎖国時代に同様な経済を経験していることに気が付いた。内需でしか動かせない経済なので、最後に誰がババを引くかの騙しの取引ゲームだ。正に、京都経済はその仕組みで動いていた。現代において京都生まれの企業が健闘している素地は近代以前の商業の習慣から生まれてるのかもしれない。

余り人を馬鹿にしたような議論を進めると批判が大きいので、冗談はさておき、日本人は新聞を情報源として動く国民なので、一斉に同じベクトルで動くのでリスクが大きいと認識する必要がある。以前のブログで北海道の知人の和尚の年賀状の文面を書いたことがあるが、それには「正しいことは、字を分解すると、一度止まることを意味する」ことを指摘していた。肝に銘じる必要がある。

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日本国民の生活にはデフレが良いかインフレが良いかを問う前に安倍政権のインフレ政策の方が良いと考える方が多いと思われるが、その理由は円安の輸出政策や日銀の金融政策ではなく、正に補助金が安倍政権を支えているのである。補助金の野放図のばら撒きによって国内の経済がどうにか下振れしないで均衡を保っているのである。良く言われる株高が景気が良くなると指摘されるが、株高で得た資本を企業が国内の投資に回したり、従業員の給与を増やせば指摘通りだが、現代は株高に比例するほど国内に投資を行わないし、従業員の給与などは増やさないどころか、効率経営の掛け声のもとに正規社員を減らし、雇用が安定しない非正規雇用者を増加させているので、経済に有効な消費を減らす行為ばかりを行っているので株高など国内的には大きな効果がない。

日本はバブル経済崩壊後に資産デフレが引き金に経済的なデフレに陥ったと指摘され続けている。その内、デフレの原因は人口減少だったと書いた本がベストセラーになり、次第に本質から遠のいてしまった感がする。本当はデフレになった原因は役人は別とすれば給与が上がらなくなったからだ。勿論、ニワトリが先か卵が先かの議論になってしまうのだが、大企業の内部留保金を考えると、給与を上げなくなったことが消費に影響し、デフレ状態を継続させている一因なのは間違いない。尤も、金融資本主義の導入で大企業も役員の報酬は何倍もになり、億ションなどの販売が好調になったが、所詮少数の人達の消費では日本経済全体に対する影響などたかが知れている。昔から貧乏人(失礼!)に金を使わせることが景気回復の近道と言われている。江戸時代は庶民も良く理解しており、落語の世界の如く「宵越しの金は持たぬ」は循環経済が自分の為になることが分かっていたのである。しかし、現代の経済は少数の金持ちを作るだけに邁進しており、それ以外の所得は下がるばかりである。正に、グローバル経済とは一物一価になるまで発展途上国の人達の給与は上がり、先進国の人達の給与は下がり続けて世界中の国が賃金でフラットになるまで続くことを意味する。

勿論、最近の技術開発が社会を全く更新する程の物ならば相転移と言う変化で新しい時代になって再度豊かさが戻る可能性もある。確かに、AI、ロボットなど過去からの技術だが今日的には飛躍的に進歩しているので、今は社会の相転移の苦しみかもしれない。しかし、IT技術が人の職場を奪うのだけを見る限り、今回の相転移は人にやさしい物とは言えないと思われる。ロボッテが人に変わるならば、ロボットに人頭税的な物を掛けて徴収しないと現在の仕組みでは国家が成り立たないのは自明だ。専門職がIT技術の発展で職を奪われているのを見ると、昨今のAI技術を考えれば、弁護士など記憶やルールに基づく専門家をAIに取って代わられると思われる。

社会はパラドックスの塊だから予期せないことの連続だが、デフレが解消しないのは人口減少などが原因ではなく、国民が意識的か無意識的か不明だが、否応なしと考えた方が良いかも入れないが、生活を維持するためにデフレを望んでいると言う事実だ。本音は円高でデフレならば生活は良いのかもしれない。日本ではベンチャーキャピタル投資が2000年をピークにその後減少し増加していない事でも成長に期待できないと考えている証拠と思える。

問題は安倍政権で行っている財政金融政策が将来の日本にツケとなって回ってくることに対する懸念だが、世界の経済を見ると日本だけの問題とはならずに金融資本主義が米国発のご破算で起きる可能性が高い。理由は30年以上もGDPも株価も上昇している米国なのにそれを否定するトランプ大統領が出現し、グローバル経済で成長している米国の仕組みを崩壊させ様としているからだ。中産階級目線で見れば日本国民も米国国民も同じと思われるが、米国は移民・不法移民がグローバル経済の成長分を吸収しているので、不法移民に反発が生じている。しかし、グローバル経済の縮図が米国内であるので、移民・不法移民を排斥すれば、確かに給与の高い中産層に雇用が戻るかもしれないが、その結果、GDPと株高が反転するとき株の暴落が起きる可能性が高い。

米国発の株の暴落で世界経済が混乱することなど考えたくもないが、トランプ大統領の出現で起こりえる確率は高まったので、それに対して日本国民が経済悪化に最低限対応するために必要なことは農産物などの食料の自給率を高めることと考える。農本主義者と指摘されるかもしれないが、もし大恐慌で万が一円が暴落したときを考慮すれば、国内で食料が自給できることで国民は生存できるので、安い海外の農産物の輸入などに惑わされずに自給率を高める事を願うばかりだ。現在のデフレで懸念することは農産物等の食料の自給率低下だけだ。

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タイトルと内容にズレが生じて来ていますが、私のブログの特徴なのでご容赦願うことにし、何故日本のデフレが執拗に続くかを改めて考えると、一番の問題は刷り込みに対する国民性に関係しているのではないかと。この国民性が戦前は日本を果てしない戦争に引き込み、現代は何の科学的根拠もなく、物の価格はもっと下がる筈と言う思い込みがデフレを長引かしている。

日本経済は開かれた欧州の先進国の経済と異なり、戦後の繁栄は国内的に高いコストを受容して「風が吹けば桶屋が儲かる」方式の鎖国主義的な循環経済で繁栄を享受していたと考えられる。この為、海外からは輸出製品と国内製品との二重価格を指摘されて非難を浴びたのである。勿論、全く同じ製品を違った価格という事ではなく、TVひとつとっても装飾的な面で違いがあり、国内仕様は木製の豪華版であった。勿論、戦後はインフレの為に物の価値が高く、従って豪華製品仕様にする必要があったとも推定される。1980年代のバブル経済までは国民は高くても製品を購入していたので、巡り巡って自分の収入に跳ね返ってきたのである。

しかし、バブル経済崩壊後にデフレ経済になり、その後はITと金融資本主義がグローバル経済を推進させて一物一価の理論が成立する考え方が浸透してきた。また、マスコミも国内価格が必要以上に高く、電気製品等に関してはガラパゴスと言って発展途上国仕様の必要性を囃したてた。勿論、デフレ経済で給料が上がらない状況においては、物の価格が安くなることは実質的に給料が増加することなので、国民は大いに物の価格引き下げに邁進することになった。茲に効率化と言う便利な物差しが出てきたので、全ての業界で効率化が進められてきた。尤も、海外に輸出する製品を持つ企業ならばこの考え方は間違いではない。しかし、国内需要だけの企業にとっては、利益率の減少と競争激化の嵐に晒されることになり、逃げ道がないのである。地方の疲弊は国内の消費に依存している企業が多いのでダメージは大きかった。然も、海外から安い輸入品が入ってくるので尚更厳しい環境となった。

国会議員、学者、官僚及び勝ち組と言われる人達は、企業も個人も創意工夫すれば成長できると囃し、金融政策や財政策を駆使すればインフレ経済になり、日本経済が再生すると訴えている。しかし、日本国民のスイッチをインフレ経済からデフレ経済に切り替えてしまった事に気が付かずに幾らインフレを起そうとしても無駄な事とは理解していない。20年の間に少子高齢化の社会を予測していたにも拘わらずに非正規雇用者を増大させて一層少子化になる政策を進めてインフレになる芽を全て潰してきたのである。部分最適な政策を進めてきた結果がデフレ経済の深刻化を招いたことに気づきもしていない。マイナス金利政策などその最たるものだ。安倍政権は大手企業の賃上げや消費に結びつかそうと労働改革に注力しているが、死んだこの齢を数える行為に過ぎない。国民はデフレ経済に満足しているおり、現状では生活が厳しくなるインフレなど少しも歓迎していない。

(次のブログに続く)