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ビートルズのジョン・レノンを狙撃した犯人に動機を聞くために30年の歳月を掛けた本を読んだ。ビートルズは私の世代にとっては大きな影響をもたらしたロックグループで、私もエレキギターを母親にお願いして購入し、仲間とバンドを組んだ。生来不器用な私なのでエレキギターを上手に弾けずに終わってしまった苦い思い出もある。ビートルズの4人のメンバーの内、ジョン・レノンが日本人女性の小野洋子と結婚した時には驚いた記憶がある。特に、ビートルズを解散に追い込んだのが小野洋子と当時のメディアで報じられたので、小野洋子なる素性に興味を持った。調べると戦前の安田財閥の一族で、創業者の安田善次郎の孫だと分かり、日本の上流階級の娘が英国の庶民の男性と結婚したのかと感慨深かった。今回の本を読んで、ビートルズのメンバーの中ではジョン・レノンは中流階級の出身であり、美術系の大学に入ったことが分かり、現代美術家として活動していた小野洋子と釣り合いが取れない訳ではない事が分かった。結論から言えば、ジョン・レノンを殺した犯人は中流家庭に育ち大学をを中退した子供の頃からビートルズの音楽に親しんできた精神病の持ち主で、世の中に名前をも知られていない自分を有名にするために行ったものであった。ジョン・レノンをターゲットにしたのは反戦活動をしていて弱者の味方がニューヨークの高級住宅に住んで、多くの資産を持つ富裕層であったことに反感を持ったことであった。更に、ジョン・レノンが神を否定する様な言動やイマジンと言うタイトルの歌も神を信じる犯人を刺激した様だ。一方、ジョン・レノンは父親がアイルランド系であり、子供時代に親に恵まれずに母の姉に育てられたこともあり、反英国的な精神の持ち主であったことが分かった。精神病であるのでやむを得ないが事件を起こして40年以上経過した現在も悪いと言う感情は少しもないことに著者は複雑なおもいを持った様だ。犯人は米国本土からハワイに移り住んで日系人の女性と結婚していたことも偶然とは言え世の中の不思議さを感じる。ジョン・レノンは小野洋子と知り合って平和活動に取り組んだが、結果的にそれがジョンの死を招いたし、ジョン自身も反戦活動の過激さもあって殺されるのはないかの予感があった様だ、著者は本を出版するに際して小野洋子と会った時に自分達の平和活動には暴力を引き付けるマイナス部分もあったとし、ジョンの死を平和活動の結果と捉えていることを知った。平和活動が暴力を引き寄せると言う小野洋子の言葉は哲学的な捉え方だが、ジョンの死を乗り越えた小野洋子の結論は世の中の平和活動をする者にとっての教訓になる。ジョン・レノンにとっても自分が世界的に有名になった理由や存在を考え続けていたのだが、それが死であったのは残酷でもある。凡人たる私にとっては伺い知れないことが世の中にはあるのかもしれない。